うつぶせを怖がったり嫌がる赤ちゃんに、安心して楽しくうつぶせしてもらうための準備があります!

楽しく・無理やりしない方法で、赤ちゃんもお母さんも安心してうつぶせに向かっていくことができます。

なぜ赤ちゃんがうつ伏せを怖がるのか?

それには赤ちゃんの感じる世界を理解する必要があります。
まず私たち大人は「自分の生きている」世界のルールを理解しています。それは定位している(オリエンテーションのある)感覚。つまり①重力方向・水平を理解して②自分自身はその中でどこにいて(位置)③どこに向かっているか(方向付け)を持っていること④そしてこれが不変であることを信頼していること。これが私たち大人のなかにある世界のルールです。

生まれてすぐの赤ちゃんにとって、この感覚はまだあいまいな感覚です。この感覚があいまいな時期に「まるで板を裏返すかのように」ガバッっとうつぶせにひっくり返すというということは・・・赤ちゃんを自分の全然分からない世界に放り出すということと同様です。
だから、赤ちゃんは大泣きするし繰り返せばうつぶせを嫌いになります。

またうつぶせを経験したばかりのあかちゃんにとっては、重力に胸を押しつぶされるような感覚と、それに伴う呼吸の難しさを感じることでしょう。一時的に酸素飽和度(酸素の量)が下がるといわれています。何故かというと赤ちゃんの胸郭(胸)は大人に比べてとても柔らかいという特徴を持っているからです。そのため自ら頭の位置を変えることができなければ、やはり赤ちゃんにとってうつぶせは苦しくて怖いものとなるでしょう。

うつぶせに必要な準備とは?

床の上で頭を転がすことができることがとても重要な準備になります。その理由はたくさんあります。

(1)これによって赤ちゃんは目と耳(三半規管)を自分の意志で動かすことになります。
能動的(自らの意思で)感覚の変化を取り込むことで、視界の動きや自身オリエンテーションが変化することに適応し始めます。
(2)背骨の周りの筋肉を刺激することになるので、頭を支える筋肉の準備につながります。
(3)赤ちゃんがうつぶせになったとき、顔が床面に当たると口がふさがって苦しくなります。そのとき頭の回転ができると、あたまを完全に床から持ち上げなくても顔の向きを変えて、自ら呼吸を楽にすることができるのです。またその際には、胸と背骨の動きが重要な助けになります。

頭を上げる力はうつぶせが始まってから養われ始める力ですので、最初はできないか、すぐに疲れてしまいます。つまり、際者は出来なくて当然なのです!

ちなみに、うつぶせが楽になるからと両脇にタオルを挟む方法もあるといわれています。が、頭・背骨・胸郭の動きの協調を妨げるので、り:はーとではお勧めしておりません。

どこでも教えてもらえない「うつ伏せの準備の仕方」をお教えします。

①頭を転がす遊びをしよう!
上にも書きましたが、頭が転がることはうつぶせの経験には欠かせない準備です。おもちゃを目の前に見せて、注目したら少しずつそのおもちゃを横に動かして追視を促してあげましょう。

②横向き寝を経験しよう。
0か月~2か月ぐらいの赤ちゃんでは、感覚的に大きな刺激にならないように全身をささえてゆっくりと横向きにしてあげましょう。体幹のねじれはあまり見られない時期です。そのまま待っていると少しずつ体がバランスをとり始めます。また、このときにほっぺの骨が床を押すことを経験するのもうつ伏せに慣れる準備になります。もう少し月齢が進むと手・脚を伸ばして体幹にねじりのくわった動きを使って横向き・そこからうつぶせと動きを拡大していくこともできてくるでしょう。

※すでにうつ伏せが怖くなって嫌がるようになった(学習してしまった)赤ちゃんについては、対応が複雑でお子さんによって全然進め方が変わります。その際にはスタジオにご相談ください。

事故なくうつぶせを経験するために

とくにまだ頭を上げることをしない月齢の赤ちゃんをうつぶせで過ごすときには、必ず目を離さないことを守ってください!
ただそばにいればよいという訳ではありません。呼吸によってむねが動いているのか?体動があるかなど?目を離さない必要があります。

恐怖なく動ける経験がお子さんに、楽しく学ぶきっかけになります。うつぶせの話の詳細はこちらのブログ記事にて続けて紹介しています。
うつぶせが成長にもたらす大事な効果の話(前編)

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