今回の内容
ポカン口の予防=お口の育ちはいつから始まるの?
ポカン口にならずにお口の周りがしっかりと育ち、健康な歯並びと気持ちよく食べる力の成長の過程は十代中盤までずっと続きます。
ではその一番最初の学びはいつかというと・・・?
生まれてから立って歩くまでの時間におこるのです。とくに1~2か月にから始まっているときくと驚くご両親も多いのでないでしょうか?
じつはこの時期にしか起きないような赤ちゃんのお口の発達へのチャレンジもあり、見逃してしまうのはあまりにもったいないと思います。
お口のために何が育つ必要があるの?
ポカン口を予防でき、しっかりと離乳食を使った食べ方の学びを進めるには、体の育ちと唇や舌の育ちの両方が大切になります。
1,体の育ち
お口を構成する要素、上唇 (うわくちびる)・下唇(したくちびる)だけではありません!
下顎(下あご)
舌
顔の表面の筋肉
口のなかの筋肉
歯とこれから歯が生える場所(歯槽提)、
のどの筋肉
飲み込むための筋肉
口から食べるということは、これら全部がほんの数秒の間にすべてつながって、しかもスムーズにできるということです。
これってすごいことだと思いませんか?実はものすごく繊細な学びなのです。
このことを赤ちゃんたちは離乳食開始のはるかに前から、学んでいます。
お口の周りの動き・筋肉が養われるために必要な土台
上にあげたお口に関係するパーツは、はみんな頭の骨・顎の骨・首の骨にくっついていることは大事な事実です。(表情筋だけはちょっと違いますが・・・)
お口は頭とあごの間についているパーツです。その頭は背骨に乗って背骨は骨盤と脚という土台に支えられています。
お口をしっかり閉じて、舌や空気の通り道としての”のど”(咽頭部)がしっかりと働いているのためには、頭・背骨・骨盤が安定していて・・・土台がしっかり育っていることが欠かせません。
この土台の安定を利用して、初めて赤ちゃんは繊細でふくざつな「食べる」という機能の学習を始めることができるのです。
また運動学習から見ると、微細な動きの学習の際には一時的な体の固定が起こります(自由度の凍結)
だから、この時期にお子さんの体の動き・姿勢の発達が順調に進み、頭や体幹・骨盤の姿勢の安定がスムーズに進んでいることは、ポカン口を防ぐための最初で大事なステップとなります。
2,お口の育ち
赤ちゃんと大人では口の使い方は違います。
まず液体を飲み込み、固形の食物を
胎児の頃から生活を始めた赤ちゃんは、 お母さんのお腹から出て、新生児、 乳幼児と少しずつ 口の動きを育てて・・・やがて大人と同じように 口から食物を取り込むことができるようになります。
実際に赤ちゃんを観察していると、月齢に応じて様々な口の使い方をしていることがわかります。
特に0歳前半(3~6か月)にはこの時期にしか、見られない大切な活動があります。
だから、離乳食を始める前からたくさんの準備をしていることを考えて行くと、ポカン口を防ぎ口や舌を使って食べる力が順調に育つためには、赤ちゃんの成長にあった 関わり方やおもちゃを通じた経験が不可欠になります。
一般的に出てくる「歯固めおもちゃ」だけでは全然足りませんよ。
また、目・手といった実際に食物を取り込むために欠かせない、体の他の機能と口の力が協調できるようにことも欠かせません。
新生児から6か月までに大切なことを簡単にまとめると
赤ちゃんは最初母乳、つまり水分だけを口から取り込むことができます。
口や舌の機能は「乳児嚥下」といわれる一連のパターンです。これは一般的には6カ月~7カ月まで持続して、その後大人の飲み方「成人嚥下」へと成長していきます。
そのために
1~2か月には
①赤ちゃんがあごを引いて頭を左右に転がせること
②母乳をしっかりと飲めること(哺乳瓶でミルクを与えている場合にはさらに注意が必要です)
3カ月~5カ月には
①両手を顔の前に持ってきて「手」の存在に気づくこと、舐めること
②両手持ちのおもちゃで遊ぶ、舌を前に出してなめる
5~6カ月には
親指以外の4本指を口に入れて口角(口の左右の端)が広がる
(横幅のある平べったいおもちゃで遊ぶ)
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