今回の内容
寝返りは、だいたい5ヶ月から6ヶ月に半分の子ができるペース
さまざまな発達検査の中で、だいたいの時期が示されています。これらは統計的な研究の結果を元にしており、個人のイメージとは違うかもしれません。
重要なのは、これらの検査が示す月齢には幅があるということです。 そのため「透過率」と言って、何パーセントの子ができるようになったかを示す検査もあります。
各種発達検査が示す、統計的な運動発達のマイルストーンは以下の通りです。
- デンバーⅡでは4~7カ月で、75%透過率はおおむね6カ月
- 遠城寺式で5カ月~6カ月
- 新版K式発達検査2020 50%透過率でだいたい5カ月
ですので全体としては、 寝返りの時期はいつかと言うと 5ヶ月から6ヶ月までに半分ぐらいの赤ちゃんが、さらにその前後に寝返りができるようになるといわれています。
しかし、本当に重要なことは寝返りのできる「月齢」ではないとたなかは考えています。
こちらのブログ記事もご覧ください
⇒寝返りが早いと本当に要注意なのか?発達障がいと本当に関係するの?
でも、どうして寝返りをするようになるの?
そもそも、月齢になれば赤ちゃんは勝手に寝返りを始めるわけではありません。そのときまでに、寝返りに必要な体と心の成長があるのです。その結果として寝返りへのチャレンジを始めます。
そして、赤ちゃんも「ヒト」なので動くためには動機が必要です。そして、赤ちゃんにとっての動機のほとんどは「好奇心」です。もっと見たい!手を触れてみたい!など、その思いが動き始める原動力です。
寝返るために赤ちゃんに必要な力
上記の好奇心を生み出し、それを実現するためにはたくさんの発達が必要です。その代表的な力について紹介すると・・・
・目で左右を見ることができる
・頭を左右に転がせること
・動かせる体への気づき(ボディイメージ)
・両手を顔の前にある物に向かって伸ばすこと
・床と体の関係をとらえていること(床に力を伝える)
・バランスを取る経験が始まっていること
そうです!気がついたお母さんもいるかもしれません。赤ちゃんの成長・発達は寝返りの全然前・・・0歳0カ月からすでに始まっているのです。逆に「体の反り」と丸まりはどちらのパターンの寝返りもあるので、寝返りの獲得には必ずしも関係ありません。
寝返りを促すためにできることは練習よりも経験!
例えば、寝返ると途中で体が反って戻ってしまう赤ちゃんっていますよね。その際に、大人がひっくり返して「練習」させてあげたらできるようになると思いますか?
寝返りをするには、手足の動きの方向、強さ、タイミング、体の重さを利用したり・・・これらを自らの試行錯誤によって学ぶ必要があります。
このケースであれば・・・
両手でおもちゃを持って遊べるかどうかがまずポイント、こうやって肩甲骨を前に出して遊べるなら、そのおもちゃを持たせた状態でゆっくり横向きにしてあげましょう。
そこでそのままお母さんが少し支えてあげます。すると、ふらつきに全身の反らす動きがつられずにバランスを保つ脳みそが働く経験をすることができます。
そのあとは、おもちゃを横に置くなどして、お子さんがジタバタ頑張っているのを、肯定的に見つめてあげてください!その経験は必ずお子さんのプラスになるに違いありません。
実際のレッスンでは、このように個々の赤ちゃんの今持っている発達の力に合わせて必要な経験を促します。
他にもよくあるパターンで「体を動かさない赤ちゃん」の場合・・・こちらのブログ記事も参考になると思います。
⇒なかなか寝返りをし始めない赤ちゃんに「今」すぐに試せること