2023年2月9日追記
目次
乗り物と運動の成長…自転車へ向けて
表題にも書きましたが、三輪車とストライダー(みたいなやつ)っていったいどちらが良いの?という質問をご両親からちょこちょこ頂きます。
この質問に対してたなかはいつも「どっちも大切、でもちょっと順番がね」と答えます!
子どもにはたくさんの乗り物遊具がありますが・・・ご両親にとって将来的な目標はやっぱり「自転車に乗る」ことですよね?それぞれの遊具にはやっぱりたくさんの動きの可能性があります。
ペダルなしの足漕ぎ自転車(代表的なのはストライダー)の出現は、三輪車と自転車(補助付き含む)の境い目を埋めるすばらしいステップになりました。それでは、それぞれにはいったいどんな意味があるのでしょう?
足漕ぎ自転車(代表的なのはストライダー)の特徴
昔、お父さんやお母さんに後ろから自転車を押してもらってヨロヨロとバランスを取りながら自転車の練習をしてもらった覚えはありませんか?
そして大人でもスピードを出さずに自転車をまっすぐ漕ぐのは難しいはずです!
足漕ぎ自転車のもっとも大きな特徴は、自転車の持つ物理的な仕組みである「スピードを出すことでバランスがとれる」ことを、子ども自身のペースで安心して経験することができることです。
・視線が高い
・スピードを体感できる(目や身体で)
・倒れないための重心移動、ハンドル操作をいつでも足の着く安心感のなかで学習できる。
・運動学習をスモールステップにする。(バランスとペダル操作を分化する)
体に必要な運動的要素としてはこんなものがあげられます。
体幹の伸展・回旋・側屈などを伴なったバランス反応
空間に定位するための体幹の支持性
※脚の交互運動は必ずしも必要としない
足漕ぎ自転車の生み出した新しいステップ
こうして足漕ぎ自転車は(ストライダーなど)が作り出した、乗り物上達への「新たなステップ」は一気に一般的に普及したのです。こんなイメージです。
コンビカー(またぎ乗りの車)
↓
三輪車
↓
■←ここに足漕ぎ自転車が現れた!!
↓
自転車
それでは三輪車は必要なくなっちゃったかな?というとそういう訳ではありません。逆に・・・コンビカーや三輪車でないと身に着けるチャンスの少ない動きもあるということです。
また、ちょっと順番…の要素があります。
コンビカーの特徴
コンビカーってこんな遊具です。またいで座ることが大きな特徴的ですね。
・またいで座る経験
・脚(膝や股関節)を深くまげる
・自分の重さを乗り物に預けて、両脚を持ちあげる(バランスを手放す)
・足の裏で力を伝える
2才ぐらいで足漕ぎ自転車に大人がまたがせて見ると・・・サドルに座れずに立ったままになる子が結構いるはずです。コンビカーでは、こんな大人には当たり前な経験の準備ができるのです。
三輪車の特徴
三輪車は分かりやすいですね。
でも、見かけることは以前よりも減ったかもしれません。でも足漕ぎ自転車とはまたちがった経験ができます!
(後ろに棒がついているものは、運動の経験としては少ないかな?)
・(倒れないため)バランス保持に必要な労力が少ない
・視線が低い
・スピードが出ない
・方向転換は主にハンドルで行なう
・股関節の深い屈曲
・脚の交互運動
・ペダルに力を伝える(はしごやジャングルジムなどと同様、足首を固定して一点に力を伝える)
とくに両脚・とくに股関節を深く、交互にまげる動きは三輪車で経験できる特徴的な動きです。
(赤ちゃんのハイハイでうまく経験出来ていないお子さんはとくに!)
ときどき、足漕ぎ自転車をコンビカーと同じように、両足同時に使って「ウルトラマン」のようにこいでいるお子さんを見かけるかもしれません。階段の上り下りがテーマになる2~3才の子どもにとって、これらの動きは決して簡単にできる動きではないのです。
補助輪つきの自転車はどう?
ちなみに自転車補助輪付きは・・・まだバランスはとれなくても、ペダル漕ぎの経験をすることができます。しかし、その後「ペダルをこぐ+バランスをとる」というダブルタスクが難しいのに加えて、バランスが難しいことで恐怖感が芽生えてしまうことがあり・・・。
ここの順番を①バランスを取る②ペダルを踏むという順番に変えたことが、足漕ぎ自転車の大きな功績だとたなかは思います。
将来のため、実はいろんな経験が大事!
なのです。
それでは順序があるってどういうことか・・・?それは体のサイズの変化していくお子さんの特性で起こる問題です。つまり、実際に観察していて4~5才と少し大きくなってから、初めて三輪車に乗ろうとするとからだのサイズに対して多くの三輪車が小さすぎるため、股関節を深くまげて脚の操作をしずらくなってしまうようなのです。
だから、あくまで私見ですが、この質問をされたら
「まず三輪車・・・そのあとで足漕ぎ自転車」って答えています。
そしていよいよ自転車へ!
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