赤ちゃんの成長過程で多くの保護者が気になる「腰座り」。いつできるようになるのでしょう?
「うちの子はまだかな?」「座る練習は必要?」といった疑問や不安を感じることも少なくありません。
実は、一般的なイメージとは異なり、無理な練習はかえって赤ちゃんの自然な発達を妨げてしまう可能性もあります。
運動発達の専門家、理学療法士のり:はーと代表だいすけが「腰座り」の本当の意味と、赤ちゃんの力を最大限に引き出すための正しい関わり方について解説します。
今回の内容
そもそも「赤ちゃんの腰座り」とは?専門家が教える本当の意味
一般的に「腰座り」とは、赤ちゃんを座らせた時に、手を離しても一人で倒れずに座っていられる状態を指します。しかし、私たち専門家が重要視するのは、単に座れることではなく、その「座り方」の質です。
大切なのは「骨盤を立てる」動き
本当の腰座りとは、背中を丸めずに骨盤をしっかりと立てて、安定して座れる状態を指します。背中が丸まり、骨盤が後ろに倒れた姿勢でも、赤ちゃんは体のバランスをとってどうにか座れてしまうことがあります。しかし、この状態は適切に腰が座っているとは言えません。
骨盤をコントロールする経験が不足すると、将来的に腰痛や肩こりなど、体の不調に繋がる可能性があるため、赤ちゃんの時期の土台作りは非常に重要です。
【逆効果】「座る練習」が赤ちゃんの腰座りを妨げる理由
「早く座れるように」と、ベビーチェアに長時間座らせたり、クッションで周りを固めて座る姿勢をとらせたりする「座る練習」は、実は赤ちゃんの自然な発達の妨げになる可能性があります。
無理なお座りの練習が「悪い癖」の原因になる可能性があります。
まだ自分の力で座れない赤ちゃんを無理に座らせると、体は丸まり、骨盤が後ろに倒れたままの不自然な姿勢を体に覚え込ませてしまいます。
この「お地蔵さんのような座り方」は、体を支えるために首や肩に不要な力が入るため、将来の肩こりや腰痛の原因にもなり得ます。大人が良かれと思って行う練習が、赤ちゃんが本来自分で学ぶべき体の動かし方を経験する機会を奪ってしまうのです。
練習は不要!赤ちゃんが自然に腰座りを習得する唯一の方法
では、座る練習をしないのであれば、親は何をすればよいのでしょうか。答えは非常にシンプルです。
ポイントは「床で自由に楽しく動くこと」
赤ちゃんが腰座りを習得するためのすべての準備運動は、うつ伏せ、ずり這い、ハイハイといった床の上での活動に詰まっています。
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- うつ伏せ:首や背中の筋肉を鍛え、体を支える力を養います。
- ずり這い・ハイハイ:手足を使って体を移動させる中で、バランス感覚や体幹、そして骨盤周りの連動した動きを自然と学びます。
これらの動きを通して、赤ちゃんは自分の体をコントロールする方法を学び、結果として質の良いしっかりとした腰座りを獲得します。親がすべきことは、練習をさせることではなく、赤ちゃんが安全な床の上で、自由に、そして楽しく動ける環境を整えることです。
また、自分で座れるようになることもこの準備に欠かせません!
’ こちらのブログを参考に⇒「赤ちゃんはいつ「お座り」をできるようになるの?」
「体幹が弱いから?」その誤解と腰座りに本当に必要な6つの力
「腰座りが遅いのは、体幹が弱いからですか?」というご質問をよく受けます。しかし、専門家は「体幹が弱い」という曖昧な言葉を使いません。なぜなら、腰座りはもっと多くの機能が複雑に組み合わさって成り立つものだからです。
腰座りには、主に以下の4つの力が必要とされます。
- 重力に対して体を支える力
- 状況に応じて適切な筋緊張を変化させる力
- バランスを保つための脳の活動(体の前後・左右の筋肉を協調させる、頭の位置をコントロールするなど)
- 背中を伸ばして・股関節を曲げる「分化」
このように、多くの機能が統合されて初めて、安定した腰座りが可能になります。「体幹」という一言で片づけず、お子さんの発達を多角的に見つめることが必要です。
まとめ:赤ちゃんの力を信じて、成長を温かく見守りましょう
最後に、今回の重要なポイントをまとめます。
- 本当の腰座りとは:単に座れることではなく、骨盤を立てて安定して座れる状態のこと。
- 「座る練習」は逆効果:不自然な姿勢の癖をつけ、自然な発達の機会を奪う可能性がある。
- 一番の近道は:うつ伏せやハイハイなど、床の上で自由に遊べる環境を整えること。
- 「体幹が弱い」と決めつけない:腰座りは、多くの機能が組み合わさって達成される。
赤ちゃんの成長には個人差があります。焦る気持ちもあるかもしれませんが、赤ちゃん自身が持つ「育つ力」を信じ、先回りしすぎず、その子なりのペースを温かく見守ってあげることが何よりも大切です。
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