達障害と寝返りの早さとは直接関連づかないとたなかは考えています。一方で要注意な点もあります。この記事では、それぞれの理由をまとめていきたいと思います。
今回の内容
体の反りを使った寝返りは単にパターンの一つです!
お子さんがググッと 全身をそらしている様子を見るとお母さんは ドキッとしますよね?
全身を反らして、つまり頭の後ろと踵で回転する動きのパターンです 。寝返るために最初からこの動きをしているわけではありません。 2点で支えた結果として横に転がって、まれにそれが寝返りのパターンとしてお子さんの気づきを促すことがあるというだけです。
赤ちゃんは発達の過程で、体の動き方を変えていきます。最初のうちに全身を反らして寝返るパターンを使っていても、お腹側の筋肉を働かせることが簡単になる時期になると寝返り方を変えることがあります。
実際には寝返りには本当にたくさんのバリエーションがあり、 厳密に見るとほとんど同じ寝返りの仕方をする子はいません。大人になった私たちを10人同時に寝返りさせたら・・・その10人が違う方法を選ぶぐらいです!
そもそも「反るっ」てほんとに悪いことなの?
生まれてすぐの赤ちゃんは手足がきゅっと縮こまって体の前にある様子だったことを覚えていますか?
そして1ヶ月2ヶ月と月齢が経過することに、 赤ちゃんの手足は床におろせるようになっていきます。 つまり 生まれてすぐの赤ちゃんにとっては 体を伸ばすということは一つ 大事な運動発達の要素です。
それを促進するためにある原始反射も存在します(緊張性迷路反射:TLR)この反射は仰向けに寝てると 体が伸びるように作用し、 うつ伏せになると体はまるまるように作用するというもので、 0か月から5~6ヶ月まで見られるものです。
体がすること自体は本来 だから何も悪いことがないんです・・・。
「後弓反張」 という言葉があります。これは 医学用語で、 全身の異常な筋緊張が中枢神経の障害によって生じる 特別な姿勢のことです。本当にその状態(小児マヒなど)の赤ちゃんを見たことのある医師や、療法士は一目で分かるものです。ですので、小児科で医師に言われない限りは、ほぼ心配ないはずです。
お医者さんに「様子見ましょう」と言ってもらえたら、このような一目で分かる病態はないはずです。だから医師・検診のチェックはこれも大切なものです。
逆に「反ったら危ないよ」「後弓反張かも」とか、お母さんの不安をあおっているだけのネット記事・インスタなどは要注意です。
り:はーとでは、お子さんに万一医療的なケアが必要と考えた場合には迷わず、受診をおすすめします。
今、子どもがしていることを「止めさせる」ことはできない
それが万が一 お子さんに悪いことだったとしても、子供が気がついて行っている行為を止めることはほとんど 困難ですし、 たなかはおすすめしません。
端的に言って、お母さんも 赤ちゃん もつらいだけです。
「○○しちゃダメ」 という専門家の人には、是非そしたらどうしたら良いの?と聞き返して欲しいと思います。
発達障がい=寝返りの早さとは直接関連づかない
「発達障害」と寝返りの時期には直接の結びつきはありません。そもそも動きの発達には本人自身の「気づき」が必要です。この「気づき」がいつ起こるのか?は他人にコントロールすることのできるものではありません。また、前述の「体の反り」と「寝返り」が結びついている赤ちゃんばかりではありません。反った結果、たまたま体が転がっただけ・・・本人はまだ気がついていないことすらあるのです。
だから、気づくためのきっかけを与えれば、時期はどうあれ赤ちゃんは自らの好奇心で動き始めるはずです。
しかし、り:はーとでは以下の場合には注意して様子を見ていきたいと考えています。
それでも注意したいポイントが2つあります!
①反りの原因が不快感・感覚の過敏の場合
赤ちゃんは何らかの不快感を感じている場合には、その表現として体を反らすことがあります。生理現象(お腹すいた、おしりが気持ち悪い、眠い、熱い)はとても分かりやすいはずです。しかしその他の要因で不快感を感じることもあるはずです。
体の固さ・こわばり感・緊張感があり、寝心地が悪い。
音や服のすれ、寝ている床・ベットのシーツの感触にいやな感触を感じる。
こういった場合には、不快感を感じている感覚を見つけ出し、減らすなり、似た感覚で慣らしたりと対応が必要になります。本来感覚のでこぼこは全てのヒトが持つものですが、本人の生活を妨げるかどうかが、本当に注意すべきポイントになります。
②赤ちゃんの「自己主張」・「移動」への気づきと小さなつまづき
自我・自己感の成長も赤ちゃんそれぞれに違います。自分で行きたいところに行ける=自分の体で「移動」できることへの気づきは、例えば寝返りで起こると・・・しばらくずっ~~と寝返りを使って移動するようになることがあります。この「移動」と「自己感の成長」には密接にかかわっているように、教師のたなかは感じております。実際このつまづきでレッスンを行なうためにインタビューすると・・・お母さんからうちの子は「自己主張が強い」とおっしゃります。
自分で動けることに気づいたとき・・・お子さんは「動けること」「世界の広がり」が楽しくて、仕方がないのです!!そうなると逆にうつ伏せで遊ぶ、体を持ち上げてハイハイになるなどの準備が遅くなることがあります。
この「移動」への気づきは例えば「背這い」「座りいざり=シャフリング」といった状況でも起きて、その先の運動発達に行き止まる・・・小さなつまづきの元になります。
この自己感の成長度合いは、今後何らかのつまづきにつながるか現状では分かりません。でも、「自己感」の成長そのものは赤ちゃんの健やかな発達、そして赤ちゃんが主体的に自分自身の人生を送るために欠かせない大切な力です!
ですので、動くのを邪魔するのではなく、自己感を生かしたいですね!寝返りで満足しないで次のステップに向かうことができるようにサポートする必要があります。
り:はーとのサポートはお子さんの個性と発達を見極めます
り:はーとの赤ちゃんの体・運動発達サポートは、①、②をはじめ、運動の要素全体から赤ちゃんの持つ個性・発達の状況を見極めて、お子さんの健やかな成長と将来のためにレッスンを提供します。