フェルデンクライスから見たこころとからだの調和 (3)

どれくらいが遠いのか、近いのか?
尺度は自分の身体能力によって決まる。

長さ⇔短さ、重さ⇔軽さ、遠さ⇔近さ・・・
数字や単位で表現できるこれらの尺度は、ふと誰でも同じに感じていると錯覚します。
ところが、外の世界は均一だったとしても、それを感じているのは
それぞれ個性を持った人間です。
だからじつはこれらの尺度は本来とても主観的なものです。
遠くどうやって私たちはこれを決めているのでしょうか?
それは、自分の「身体的な能力」をもとにして決めているのです。

なぜ向こうに見える横断歩道を渡らないのか?

ご高齢の方の交通事故のニュース聞くたびにこころが痛みますが・・・
「なぜすぐそこの横断歩道を渡らなかったのだろう」とみな口々に言うのです。
その横断歩道は若い人の歩く力では「すぐそこ」なのかもしれません。

ところがご高齢の方が見たその歩道は。自分の歩く力では非常に遠く
労力を費やしてしまうように感じられたのです。
だから目の前の車道を渡る・・・当事者にとっては自然な判断だったのです。
老婆

からだが変われば行動が変わる

神経学者・神経科医・心理学者のアントニオ・R・ダマシオ は
その著書「デカルトの誤り」のなかで
「日常生活の折々の場面で求められる合理的な意思決定には
そのときの身体状態と不可分に結びついている情動と感情の作用が不可欠である」
と述べています。
つまりそのときのからだの状態で、
感じることも、感情も、行動も変化するという事です。
レッスンの後に手足の長さが変わったり、大きさや存在感に変化を感じたりする
することも全然不思議ではありません。

フェルデンクライスではそれを当然のこととして扱いますし、多くの方にとっても
このことは自身の経験で納得できるのではないでしょうか?

こころとからだは一体となって変化していきます!

フェルデンクライスのレッスンは本当に楽に受け
変化を実感することが出来ます。

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