複雑なものを複雑なままとらえる→フェルデンクライスの科学(前編)

フェルデンクライスの教師が「分からないこと」を大切にする理由

 

何でいつの間にか、楽になっているのか?

やりたいことができるのか?

 

 
フェルデンクライス・メソッドを体験した多くのかたはこのような疑問をいつも持っているようです。
かくいう教師のたなかも・・・
初めてフェルデンクライスのレッスンを受けたときにその変化に驚かされた一人です。
ところが多くの方々と同じように、何が起きているのか「さっぱり」分かりませんでした。
実は・・・このフェルデンクライス・メソッドは
「症状→治療→結果」というセラピスト・治療家・医療関係者が用いるごく自然なプロセスと
全く違う、新しい自然科学の発想を利用しています。

1900年代に出現した「複雑系の科学」という概念です。

 

 
複雑系とは・・・大辞泉を引用すると
「数多くの要素で構成され、それぞれの要素が相互かつ複雑に絡み合った系またはシステム」
と書かれています。
日常で私たちが触れている「予測不可能な多くの自然現象」はまさしく複雑系であり
脳、生命現象、生態系、気象現象のほか、人間社会そのもの、などを表現しうる方法として
多岐にわたる分野で研究が行なわれています。
物理学の研究者もあったフェルデンクライス博士は
「サイバネティクス」や「システム理論」など複雑系を扱う理論をレッスンの背景として利用していました。
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じつはしまうまのシマシマも「複雑系」の性質を示しています。
 
とても代表的な複雑系の特徴は以下のものです。(一部は大辞林より引用)

1、最初のきっかけのごくわずかな差が決定的な現象のちがいとなって現れる。
(初期値鋭敏性:バタフライ効果として有名になりました)

2、全体のごく一部の因子のふるまいが、全体の動きに大きく影響をおよぼす。
(非線形性)

3、複雑で予測不可能なふるまいの中にも一定の秩序が形成される
(自己組織化)

4、与えられた条件に基づく予測や計画、意図を超えたイノベーション(革新・新しい価値)が誘発される
(創発性)

5、その断片がどんなプロセスを踏んでいるのか、境界はどこなのか理解も検証もできない

しかも、ばらばらにしてしまうと複雑系としてのふるまいは表現できなくなってしまいます。
また元のように組み上げることもできません。
だから・・・

「複雑なことを複雑なまま理解しようとする」

ということが大事なとらえ方になります。
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簡単な方程式で「人間が変わったりするはずがないのです。
実は・・・自分たち「ヒト」という存在はもっとも身近にある「複雑系」なんだといえます。
フェルデンクライスを科学しようとするとこの「複雑系」の考え方が
実際のレッスンにたくさん用いられていることが分かります。
ちょっと長くなってしまいそうなので、次回を続きの記事を公開しようと思います。
 

今までの多くのセラピーや整体、マッサージと全然違う

フェルデンクライス・メソッド
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